カウンターのイスを、移動式から固定式に変えると、なぜ売上は変わるのか?【顧客の動線改善:導入編】


スクリーンショット 2016-12-22 15.45.29 なんで、もっと早くやらないのか?動線改善
「スタッフが特別に何か頑張ったわけではないんですけどねぇ・・・」 24坪カウンターのみのラーメン店事務所で、売上伸長110%の報告をもらったのは2014年頃。 店長から報告をもらった社長は、「えっ」という驚きの声をのみこんだ。 昨年、創業以来はじめて撤退した店舗の、借入返済に苦労したことが頭をよぎり「なんで、もっと早くやらなかったんだ」という嬉しくも悔しい複雑な気持ちを自分にぶつけていた。
上記は、あるラーメン店であった、実際のできごとです。 「カウンターのイスを、移動式から固定式に変えると、なぜ売上は変わるのか」 については、大よそどの飲食経営者も予想がつくことでありながら、いまだ取り組んでいないお店がたくさん存在するのは、動線改善が「数字」で見えていないからかもしれません。
誰でも分かるシンプルな理屈
同じ席数にも関わらず売上が10%上がった固定式イスの理屈は、居心地がよいと感じる隣のお客様との距離感をお客様側で自由に選んでもらう移動式イスだと、どうしてもイスとイスの間隔が広めになってしまい、ピーク時に残り1席空いているものの他席がゆったりと座り過ぎてしまったしわ寄せで座れないことが生じてしまいます。
7人掛けの電車シートでも6人がゆったりと座ると、残り1人が座われるスペースが無くなることがあることと同じ現象が、特にカウンター中心の店舗でおきます。 そうならないように、お店側で「ストレスにはならないギリギリの距離感」を固定式イスで設定することで、ピーク時に無くなる「残り1席分」を有効に活用し、売上を上げることが出来ました。
顧客動線」と「作業動線」 スクリーンショット 2016-12-22 15.51.17
上記は、ある飲食店の動線図です。 「動線」というと、キッチンなどの設計するときの「作業動線」をイメージされることが多いですが、固定イスにしたラーメン店のように、お客様の動きに着目した「顧客動線」に着目することで、業績を大きく伸ばすことが出来ます。 POP・サインの位置で人の流れが変わることは周知のとおりですが、テーブルの高さや、座面の硬さ(深さ)や広さ、声掛けのタイミング、声掛けの内容を変えることで、お客様の行動・満足度が大きく変わります。
(顧客動線で改善例)
    ・イスと、となりの席の距離での滞在時間コントロール
    ・メニュー決定までの時間を短縮
    ・お客様の「この席で良かった」と思ってもらう席までの案内トーク
    ・ポイントカードの次回使用率が3倍以上になる配布場所とトーク
面倒 & 業態共通の「解」がない
顧客動線の改善の理屈はとてもシンプルなのです。 ただし、いざ実施しようとなったところで、人件費ぎりぎりの運営を行っているいち店長が、日常業務をやりながら中々手が回らないですし、お客様の視線や動きをこと細かに追い続ける非常に地道な調査をおこなう根気強さも必要です。
例えば、物件が比較的狭い東京都内と、広い席空間に慣れている地方とでは、お客様がストレスに感じ始める隣客との距離感は異なるなど、地域特性などを加味しなければ動線改善が逆効果に働くこともあります。 手間がかかり面倒なこと、業態共通の「解」がないことの2つが顧客動線の改善が浸透しない大きな理由ですが、トリノ・ガーデンでは、着席してから退席するまでの間、お客様の目線やしぐさを観察し、分解することで、滞在時間や、注文率、席満足度(この席で良かったという満足度)を設計・コントロールします。詳しい事例についてはこちらになります。是非、お気軽にご相談してみて下さい。
参考:名古屋・三河の店長・人事担当者のためのお役立ちサイト【ヒトクル】